「やりたいこと=天職」ではない|本当にやりたいことの見つけ方と仕事選びで大切な考え方
はじめに
「本当にやりたいことを見つけたい」
そう思っている人の中には、
「やりたいことが見つかれば、自分にぴったりの仕事も見つかるはず」
と考えている人も多いのではないでしょうか。
私も長い間、そう思っていました。
どこかに自分のために用意された「天職」のような仕事があって、それを見つけることができれば、毎日やりがいを感じながら働ける。
だから私は、自分に向いている仕事を探したり、資格を取ったり、新しいことに挑戦したりしてきました。
それでも、「これだ」と思える仕事はなかなか見つかりませんでした。
10年近く迷った末に気づいたのは、
「やりたいこと」と「仕事」を最初から同じものとして考えていたこと自体が、やりたいことを見つけにくくしていた
ということです。
本当にやりたいことが見つかったとしても、それがそのまま職業になるとは限りません。
むしろ大切なのは、
「何の仕事に就くか」よりも、その仕事を通して「何を実現したいのか」
を考えることです。
今回は、やりたいこと探しで10年間迷った私自身の経験も踏まえながら、「やりたいこと=天職」と考えない方がいい理由と、納得できる仕事を選ぶための考え方をお伝えします。
「本当にやりたいこと」を探すほど仕事が決められなくなる理由
「本当にやりたいことは何ですか?」
そう聞かれると、多くの人は職業を思い浮かべます。
たとえば、
・教師になりたい
・カウンセラーになりたい
・エンジニアになりたい
・起業したい
・コーチになりたい
といったものです。
もちろん、それ自体が悪いわけではありません。
ただ、「やりたいこと=職業」と考えてしまうと、やりたいこと探しは急に難しくなります。
世の中には数え切れないほどの仕事があります。
その中から、
「一生続けたいと思える仕事」
「自分に最も向いている仕事」
「絶対に後悔しない仕事」
を一つだけ選ぼうとすれば、迷うのは当然です。
しかも実際に働いてみなければわからないこともたくさんあります。
だからこそ私は、
やりたいことを「職業名」で見つけようとしないこと
が大切だと考えています。
「そもそも、なぜやりたいことが見つからないのか」を整理したい方は、以下の関連記事も読んでみてください。
▶関連記事:【完全版】30代で「このままでいいのか」と悩む人へ|本当にやりたいことを見つけて、自分軸で後悔しない転職をする方法
やりたいことは「目的」、仕事は「手段」と考える
では、「やりたいこと」と「仕事」はどう違うのでしょうか。
私は、
やりたいこと=人生や仕事を通して実現したいこと
仕事=それを実現するための手段の一つ
と考えています。
たとえば、
「人の可能性を引き出したい」
という思いを持っている人がいたとします。
この人のやりたいことを職業名にすると、
「キャリアコーチになりたい」
となるかもしれません。
しかし、「人の可能性を引き出す」という目的を実現する方法は、キャリアコーチだけではありません。
教師として生徒の可能性を引き出すこともできます。
会社の管理職として部下を育成することもできます。
人事担当として社員のキャリア形成を支援することもできます。
研修講師として人の成長を支援することもできます。
つまり、
一つの「やりたいこと」に対して、仕事という手段は複数存在する
ということです。
ここを逆にしてしまうと、
「自分の天職は何だろう」
と、存在するかどうかもわからない一つの職業を探し続けることになります。
しかし、
「私は仕事を通して何を実現したいのだろう」
と考えることができれば、選択肢は大きく広がります。
私も「自分に合う仕事」を探し続けていた
私自身も10年近く、「本当にやりたいことがわからない」と悩んできました。
社会人になれば、いろいろな経験をする中で自然とやりたいことが見つかると思っていました。
それでも見つからなかったため、
「まだ自分には何かが足りないのではないか」
と考え、資格取得にも力を入れました。
結果として、国家資格を含め10個以上の資格を取得しました。
けれど、資格が増えても、
「これが自分の人生で本当にやりたいことだ」
という感覚は得られませんでした。
今振り返ると、理由はシンプルです。
私はずっと、
「何になるか」ばかり考えて、「何を実現したいのか」を考えていなかった
からです。
転職するべきか。
資格を取るべきか。
別の仕事をするべきか。
こうした「手段」ばかり考えていました。
しかし、自分自身と向き合い、価値観や興味関心、これまで充実感を覚えた経験を振り返っていくと、少しずつ共通点が見えてきました。
私の場合は、
「自分が学んだことや経験したことを活かして、人生をより良くしたい人を支援したい」
という方向性でした。
そこまでわかって初めて、
「そのためには、どんな方法があるだろう」
と仕事を考えられるようになりました。
この順番が、以前とはまったく逆だったのです。
自己理解からやりたいことを整理する具体的な方法については、以下の関連記事も参考にしてみてください。
▶関連記事:本当にやりたいことの見つけ方|最初にやるべき自己理解とは
「好きなことを仕事にする」だけでは足りない
やりたいこと探しで、もう一つ注意したいことがあります。
それが、
「好きなこと=仕事にすべきこと」
と考えることです。
好きなことは、やりたいことを考える大切なヒントです。
しかし、「好き」という感情だけで仕事を決めると、うまくいかないこともあります。
たとえば旅行が好きだからといって、旅行会社で働けば必ず幸せになれるとは限りません。
料理が好きだからといって、飲食店で働くことが自分に合うとも限りません。
「好きなこと」と「仕事として満たしたいこと」は違うからです。
大切なのは、
「何が好きなのか」
だけではなく、
「その何が好きなのか」
まで掘り下げることです。
旅行が好きなのは、新しい世界を知ることが好きだからなのか。
自分で計画を立てることが好きだからなのか。
人との出会いが好きだからなのか。
日常から離れて自由を感じられるからなのか。
ここまで掘り下げると、その人が大切にしている価値観や興味関心が見えてきます。
好きなこと探しだけではやりたいことが見つかりにくい理由については、以下の関連記事で詳しく解説しています。
▶関連記事:やりたいことがわからない人ほど「好きなこと探し」をやめた方がいい理由|本当にやりたいことの見つけ方は「好き」の外にある
「天職」を探すより、自分が満たしたい条件を知る
仕事選びでは、「天職」を一つ決めるより、
自分が仕事を通して何を満たしたいのか
を整理する方が現実的です。
たとえば、
・人の成長に関わりたい
・新しい知識を学び続けたい
・自分で考えて工夫したい
・誰かの役に立っている実感がほしい
・家族との時間を大切にしたい
・場所に縛られず働きたい
などです。
これらがわかっていれば、
「この会社は有名だから」
「年収が上がるから」
「なんとなく面白そうだから」
だけで仕事を選ばなくなります。
代わりに、
「この仕事なら、自分が大切にしていることをどのくらい満たせるだろう」
という基準で比較できるようになります。
私はこれが「自分軸で仕事を選ぶ」ということだと思っています。
本当にやりたいことを仕事につなげる3つのステップ
では、実際にどう考えればいいのでしょうか。
私は次の3つに分けて考えることをおすすめしています。
①「何になりたいか」ではなく「何を実現したいか」を考える
まず、職業名をいったん横に置いてみてください。
そして、
「仕事を通して、どんな状態をつくりたいか」
を考えます。
たとえば、
「悩んでいる人が前向きに一歩踏み出せるようにしたい」
「複雑なことをわかりやすく伝えたい」
「人が成長できる環境をつくりたい」
などです。
職業名より抽象度を一段上げることがポイントです。
②その思いを実現できる「手段」を複数考える
次に、その目的を実現できる方法をできるだけたくさん考えます。
ここでは最初から転職に限定しません。
今の会社で担当業務を変える。
異動する。
副業を始める。
ボランティアをする。
資格を取って新しい役割に挑戦する。
転職する。
独立する。
一つの目的に対して、実現方法はいくつもあります。
「やりたいことが見つかった=会社を辞めなければならない」ではありません。
③小さく試して確かめる
最後に、いきなり人生を大きく変えないことです。
頭の中で考えた「やりたいこと」が、本当に自分に合っているかは、実際にやってみなければわかりません。
私自身も、現在の仕事を続けながら、セミナーやキャリア支援などを経験することで、
「やはり人が自分の人生を前に進める支援をすることに充実感を感じる」
と確かめてきました。
だからこそ、
やりたいことは「決めるもの」というより、「仮説を立てて確かめていくもの」
だと思っています。
「一生の仕事」を決めなくていい
30代になると、
「そろそろ自分のキャリアを決めなければ」
という焦りが生まれることがあります。
20代のように何でも試せる年齢ではない。
家族もいる。
収入も下げたくない。
だからこそ、
「次こそ失敗できない」
と思ってしまいます。
でも、「一生続けられる天職を見つけよう」とすると、かえって動けなくなります。
10年後には、自分自身も社会も変わっています。
今は存在しない仕事が生まれている可能性もあります。
だから必要なのは、
一生変わらない職業を決めることではなく、自分が大切にしたいものを理解し、その時々で最も合う手段を選べること
ではないでしょうか。
「今の会社を辞めるべきなのか」と迷っている方も、会社を辞めること自体を目的にしないでください。
今の環境で何が満たされていないのか。
次の環境では何を満たしたいのか。
そこまで整理してから転職を考えることが大切です。
まとめ|探すべきなのは「天職」ではなく、自分が実現したいこと
「本当にやりたいことの見つけ方」を調べている人ほど、
「自分には何か特別な仕事があるはずだ」
と思ってしまうことがあります。
でも、やりたいことは必ずしも職業名ではありません。
むしろ、
「自分は人生や仕事を通して、何を大切にし、何を実現したいのか」
という方向性です。
そして仕事は、それを実現するための手段の一つです。
だから、
「私の天職は何だろう」
と考え続けるより、
「私は何を大切にして生きたいのだろう」
「どんなことをしているときに充実感を覚えるのだろう」
「誰に、どんな価値を届けたいのだろう」
と考えてみてください。
その答えが少しずつ見えてくれば、仕事の選び方も変わってきます。
私自身、10年間やりたいことがわからず迷い続けました。
だからこそ今は、やりたいことが見つからない人に必要なのは、焦って「正解の仕事」を探すことではないと思っています。
まず、自分を知る。
次に、自分なりの仮説をつくる。
そして、小さく試してみる。
その繰り返しの先に、
「これが天職だ」
ではなく、
「今の自分は、この道を選びたい」
と納得できる瞬間が生まれるのではないでしょうか。
「このままでいいのか」と悩み続ける毎日を終わらせませんか?
「このままでいいのか」を、「こう生きたい」に変える45分。
今すぐ転職を決める必要はありません。
やりたいことが決まっていなくても大丈夫です。
体験コーチングでは、
「今、何にモヤモヤしているのか」
「本当はどんな毎日を送りたいのか」
「自分は何を大切にしたいのか」
を対話しながら整理します。
45分後に目指すのは、
すべての答えを出すことではありません。
「次に何を考え、何をすればいいのか」が見えている状態です。
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